インタビュー Interviews
黒川 真行先生
- 留学先
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京都桂病院
- 留学期間
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2020年4月-2022年3月
- 留学体験記
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今回は京都大学泌尿器科小川前教授と土谷教授のご厚意で大学間交流の一環として京都桂病院で2年間の研修をさせていただきました。京都桂病院は、京都西京区にある約550床の急性期病院です。前身は1937年に結核療養所として開設された松尾医院で時代の流れとともに総合病院に移り変わっていったそうです。
泌尿器科としては、常勤5人で年間500件(ESWL,前立腺生検除く)程度の手術を行っています。ほとんどの一般的な泌尿器科手術は腹腔鏡下で行っています。DaVinci Xiが導入されており、前立腺全摘に加え、腎部分切除、膀胱全摘、腎盂形成もロボット支援下の手術を行っています。また、2020年から生体間腎移植もスタートし年間4-5件程度のペースで移植も行っています。
桂病院での大久保部長はじめとする移植スタッフの準備あってこそですが、私としても山形大学で西田先生、山岸先生に教えていただいた知識と経験を通して、微力ながらこちらの腎移植導入に携われたことを誇りに思います。
日常診療も毎週入院患者、手術症例、画像、病理とカンファレンスの機会が多数あり、科内、放射線科、病理の先生とのディスカッションも踏まえて多角的に自分の診療を見つめ直すことができました。よくカンファレンスで大久保部長に問われた「納得」と「スピード感」を持って、今後も主治医としての良い判断を続けていけるよう精進したいと思います。研修中自分より下の学年の先生とも一緒に仕事をさせていただきましたが、皆さん自分の上司かと思う位多くの知識と技術を持った素晴らしい先生ばかりでとても良い刺激になりました。
また教育面でも、各種学会の他に京都大学関連病院では2ヶ月に1回マンスリーミーティングが各病院合同で開催され、若手の症例報告の場となっています。時折厳しい意見も飛び交っていますが、非常に教育的でためになる会でした。1度発表の機会も与えて頂き、良い経験となりました。
2年間を振り返ると、とても短い時間のように感じています。今回の研修を通して新たに感じた個人的な課題は、「自分の下の先生にどのように知識と技術を伝えるか、またその人らしさを損なわずに自分より優れた人材として成長してもらうにはどのようにすべきか」ということです。難しい課題ですが、自分自身も精進しながら取り組んでいきたいと思います。
このような機会を与えていただいた、土谷教授をはじめ医局の先生方、京都大学泌尿器科・京都桂病院の先生方のご高配に心から感謝いたします。また、今回の研修は家族の支えなしには有り得ませんでした。家族にも感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました。