研究実績 research
基礎研究について
当講座では、大きく分けて『腎移植分野』『腫瘍分野』に対して基礎研究を行っています。
メタボローム研究の専門家である国立がん研究センター・鶴岡連携研究拠点の牧野嶋秀樹先生のグループや、京都大学大学院医学研究科免疫ゲノム医学講座教授本庶佑先生のグループ、当大学の免疫学講座、薬理学講座、病理学講座、創薬科学講座、メディカルサイエンス推進研究所との共同研究も行われており、研究体制は万全です。
週1回のリサーチカンファレンスでは、大学院生の研究成果の発表や、学会の予演を行っています。近年では、毎年大学院生が卒業し、当科全体の投稿論文数も増え、着々と成果が増えてきています。
腫瘍分野
泌尿器癌には、前立腺癌、腎細胞癌、尿路上皮癌(膀胱癌、尿管癌、腎盂癌)、副腎腫瘍などがありますが、私たちの研究室では「腎細胞がん」をメインターゲットとして基礎研究を行っています。
腎細胞がんの治療は分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤の登場で各段に進歩してきておりますが、使用した薬剤に対して抵抗性を示したり、治療前に薬物治療の効果を予測する方法が無いなど、臨床上の問題点があります。これらの問題を解決するべく、私たちは、腎細胞がんの培養細胞を使用して「臨床では憎き癌細胞」を「実験室では大事に育てながら」実験しています。薬剤耐性株を作成し網羅的に遺伝子の発現を解析したり、腎細胞がんの特徴的な代謝産物を測定したり、と、腎細胞がんの特性・病態を解明し、腎細胞がん患者さんへより良い治療を提供できることを目指し、日々楽しく研究に励んでいます。
現在進行形の腫瘍分野テーマ
- 腎細胞癌・膀胱癌における代謝物に基づいた分類の作成と治療標的となりうる代謝産物の探索
- 腎細胞癌における発現遺伝子と免疫微小環境の関連の検討
- 免疫チェックポイント阻害剤投与前後の免疫学的変化の探索
- 新規免疫療法治療効果予測因子としてのGPI-80を用いたMDSCの発現機能解析
- 腎細胞癌におけるβアドレナリン受容体の機能解析
- 腎細胞癌の転移・浸潤におけるAnkrd1の機能解析
- 腎細胞癌におけるアポトーシス抑制分子BCL2A1の機能解析
移植分野
新型コロナウイルス感染(COVID-19)が世界的大流行となり、海外からの報告では腎移植患者におけるCOVID-19の重症化リスクは高く、その死亡率は15~30%と報告されています。COVID-19に対する有効な治療方法が限られている中、SARS-COV-2に対するmRNAワクチンが開発され、3回目の接種が進んでいる状況にあります。国際移植学会からは移植患者においてもCOVID-19ワクチン接種が推奨されておりますが、免疫抑制療法を必要とする腎移植患者における有効性と副反応については不明です。そこで私たちは、当科通院中の腎移植患者におけるCOVID-19mRNAワクチンの効果と安全性を評価し、COVID-19mRNAワクチンが腎移植患者においてもCOVID-19の感染予防において有効か否かについて明らかにすることを目的として研究しています。
現在進行形の移植分野テーマ
- 腎移植患者における新型コロナウイルスワクチン接種の効果と影響
メタボローム研究の専門家である国立がん研究センター・鶴岡連携研究拠点の牧野嶋秀樹先生のグループや、京都大学大学院医学研究科免疫ゲノム医学講座教授本庶佑先生のグループ、当大学の免疫学講座、薬理学講座、病理学講座、創薬科学講座、メディカルサイエンス推進研究所との共同研究も行われており、研究体制は万全です。週1回のリサーチカンファレンスでは、大学院生の研究成果の発表や、学会の予演を行っています。近年では、毎年大学院生が卒業し、当科全体の投稿論文数も増え、着々と成果が増えてきています。