インタビュー Interviews
福原 宏樹先生
- 手術風景
- 留学先
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日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院
- 留学期間
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2019年4月~2020年3月
- 留学体験記
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泌尿器科は幅広い疾患を扱うのですが、その中でも腎移植に興味がありました。卒後8年目から少しずつ執刀を任されるようになってきましたが、高難度症例やトラブル時の対応は上司の西田先生に頼りきりでしたので、もう少し症例数の多い施設で経験を積みたいと考えておりました。そうした状況の中で西田先生から「日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院」での国内留学を提案いただき、土谷教授のご協力のもと卒後10年目で国内留学させていただきました。
私が留学した日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院は通称「八事日赤」と呼ばれ、名古屋駅から地下鉄を乗り継いで約30分、「八事日赤駅」の隣に位置しています。八事日赤は腎移植を年間100-120件行っている、全国で最も移植件数の多い施設の一つです。日赤では、移植内科医が術前スクリーニング及び術後1週間目以降の管理を移植内科医が担当するため、外科医は手術に集中して取り組める環境にありました。私は移植外科の留学レジデントとして渡井先生、鳴海先生ご指導のもとドナー腎摘除術22件、レシピエント手術25件の執刀経験を積ませていただきました。また八事日赤では膵腎同時移植も行っているため、毎月のように献腎移植手術があり、10件の摘出手術に参加することができました。
さらに、他施設で行われる生体腎移植の手術応援に行くこともしばしばあり、ほぼ腎移植医療に入り浸った1年間でした。移植外科に在籍するスタッフは渡井先生、鳴海先生を除いて3人おり、比較的学年が近いことから、気兼ねなく手術について質問することができ、とてもよい刺激となりました。国内留学で得た知識と経験を後輩に伝え、山形の移植医療を盛り上げたいと思います。
留学して半年間は手術がなかなか上達せず、指導医の先生に相当なストレスを与えていたと思いますが、それでも我慢して指導してくださった先生方には感謝してもしきれません。またこのような貴重な機会を与えてくださった、土谷教授、同門の先生方、そして温かく見守ってくれた妻と息子に感謝申し上げます。